【鉄道本舗10周年の想い、そしてこれから】
鉄道本舗株式会社は、2025年6月22日をもって創業10周年を迎えることができました。
この節目を迎えられたのは、商品をお売りいただいたお客様、ご購入くださったお客様、仕入れから販売までを支えてくれたスタッフの皆さん、そして日々ご協力いただいている取引先の皆さまなど、本当に多くの方々のお力添えがあってのことです。
心より感謝申し上げます。
振り返れば、創業当初はネット古書店としてスタートし、やがて鉄道専門店へと転身。少しずつ組織の形を整え、法人化を果たしました。
当初の法人名は「株式会社ブンブンジャレコ」
これは、私が夢の中で経営していた会社名であり、「夢を現実にする」という思いを込めて名付けたものでした。のちに「夢は叶えた」として、現在の社名である「鉄道本舗株式会社」へと改称いたしました。
しかし、この10年は決して順風満帆だったわけではありません。
成長と膨張を取り違え、急激な拡大路線に舵を切った結果、組織が崩壊しかけ、仕入れ不足から倒産の危機にも直面しました。また、コロナ禍では買取・販売ともに大きな行動制約を受け、活動が困難となる時期も経験しました。
そんな中、「生きるために」始めた鉄道グッズのリユース事業でしたが、出張買取でお客様の手放す理由に耳を傾ける中で、私たち鉄道本舗の【使命】が次第に明確になっていきました。
私たちが世の中から必要とされているのは、単なる「鉄道グッズ買取業者」だからではありません。鉄道という文化財を未来に残し、その価値や背景を次世代に伝えていく存在であることに、私たちの意義があると強く感じるようになりました。
たとえば、当社の主力商品のひとつである鉄道部品は、実際の鉄道車両に取り付けられていた本物の部品です。
その鉄道車両のファンにとっては、人生をかけてでも集めたい垂涎の的ですが、鉄道に興味がない方から見れば、ただの油ぎった鉄の塊や、古いプラスチックの板にしか見えないかもしれません。
鉄道部品は実際の車両についていてこそ価値があるもので、例え新たに同じ寸法、同じ素材で作り直したとしても、どこまでいってもレプリカ品で本物に変わる事はありません。
近年では、ネットオークションやフリマアプリの普及により、そうした品が捨てられることは以前より少なくなってきたとはいえ、いまだに価値あるものが日々処分されている現実は続いています。
私たちの役割は、そういった「価値を知られずに捨てられそうになっているもの」を見つけ救い出し、その価値を見極め、再び世に送り出すこと。
そして、「これはただのガラクタではなく、鉄道の歴史そのものである」と啓発していくことだと考えています。
今後は、「鉄道文化財のレスキュー隊」として、文化的な価値を正しく伝え、後世に残していく使命をさらに強く果たしていきたいと思います。
この10年間、多くの方々に支えられながら歩んでくることができました。
そしてこれからの20年、30年も、鉄道文化はもちろんより多くの皆さまと力を合わせて歩んでまいります。
今後とも、鉄道本舗をどうぞよろしくお願い申し上げます。
鉄道本舗 代表 石川 泰蔵
買取への想い