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鉄道模型メーカー「中村精密」の歴史・特徴・魅力を徹底解説

鉄道模型メーカー

(更新日:2023年5月9日)

今回は『中村精密』についてご紹介致します!

中村精密の歴史

中村精密(ナカセイ)は、輸出向けの鉄道模型を主に手がけていたメーカーで現在は廃業しています。

もっとも活動的に製造を行なっていたのは1970年代。

当時製造していたモデルは、現在でも中古市場において高い価値を誇ります。

輸出向けで特によく知られているのは、ペンシルバニア鉄道の電気機関車(HOゲージ)で、プレスの一体成型であることが当時として画期的でした。

一体成型は、細かいパーツもすべて取りつけ済みなので組み立てやすいというメリットがあります。

実際、中村精密の一体成型モデルは、金属製であってもプラスチック製キットのように簡単組み立てることができるようになっていて、中村精密も「組み立てやすいキット生産」をポリシーとしていました。

1983年には有限会社中村精密の名義を、株式会社ナカセイに改めましたが、この年に発売されたD62が最後の日本型製品となりました。

その後は、模型雑誌に再生産品の販売が広告されることがあるものの、新規製品の販売には至っていません。

中村精密の鉄道模型は、総じて国内向け製品よりも輸出向けに作られた模型の方が評価が高い傾向にあります。

今までにないモノを鉄道模型に取り入れたメーカー

比較的早い時期に小田急電鉄などの私鉄電車の大がかりな製品化を実現、さらに当時としては珍しい試みだった「塗装サービス」を実施するなど、ユニークな着眼点をもって一時代を築きました。

この「塗装サービス」は車両の特に塗り分けが難しい部分を塗るため、キットに塗装サービス券を同梱したこの試みは、希望者が実費を支払って依頼できるシステムになっていました。

現在、中村精密の金型はハセガワに託される

現在、中村精密の客車の金型は、廃業後にプラモデルメーカーであるハセガワに託されています。

鉄道模型ですとMODEMOと言うイメージではないでしょうか。

ハセガワは木製模型を主力製品として1941年に創業された長谷川製作所が前身。

鉄道模型以外にも飛行機のプラモデル、キャラクターモデル、戦隊系シリーズの総合模型などを広く手がけています。

中村精密の特徴

中村精密の特徴は、プレスの一体成型で鉄道模型を製造していたことです。

一体成型で作られた模型は、後からパーツを改めて取り付ける必要がないために組み立てやすく、ビギナーにも取り組みやすい模型といえます。

中村精密は、組み立てやすさを重視したモデル作りを意識していて、一体成型で製造した模型以外にも、瞬間接着剤で接着しながら組み立て可能なホワイトメタル製のキットや、比較的簡易なプラスチックの射出成型模型などを次々に販売しました。

作りやすくシンプルな構造の中にも造形美を追求

蒸気機関車をシンプルに組み立てるため、中村精密が採っていた手法がテンダードライブという動力方式です。

テンダードライブは、車両を動かすための駆動部分(モーターなど)を、機関車本体ではなくテンダー(炭水車)に搭載する動力方式です。

テンダードライブは、機関車がテンダーに押されて動く仕組みになっており、これによって動力を搭載する必要のない機関車の組み立てを簡略化できるのです。

テンダードライブ式の採用は、組み立てを簡単にすると同時に、模型の精密さを担保することにもつながり、中村精密は国内外での地位確立に成功しました。

重厚さを売りにする鉄道模型メーカーも数多く存在しますが、中村精密はその中にあって、自社の特徴である「作りやすさ」を突き詰めて他社との差別化、オンリーワンの個性を獲得したといえます。

中村精密のファンを惹きつける理由

中村精密はすでに廃業しているため、新製品が発表されることはありませんが、いまだに中古市場などでは人気で、入手困難となっているモデルも。

これは、もう新しいものは作られないという希少性が中村精密の価値を高め、一種のノスタルジーとともに鉄道模型愛好家に支持されているということなのでしょう。

手の届きやすい価格体で販売した事も人気の由来

カツミやKATOなどの有名メーカーが重厚で高価な鉄道模型を販売していた頃に、子どもでも手の届きやすい価格帯のプラキットや、ビギナーにも組み立てやすいキットの製造・販売を行なっていたために、親しみやすさを感じるファンも多いはずです。

とはいえ、安かろう悪かろうではなく、テンダードライブの採用や塗装サービスの実施などクオリティに妥協しない姿勢もみられます。

組み立てやすさを優先しつつ、デザイン性や模型のクオリティも追求するという姿勢は、まさに日本の職人魂といえます。

中村精密といえば輸出向け模型の方が、国内向け製品よりも出来が良く評価も高いというイメージがありますが、そのラインナップはファンにとって見逃せないものになっています。

中村精密イズムは今でも鉄道模型界に残る

当時はごく一部しか製品化されなかった小田急電鉄、京成電鉄などの私鉄電車を大体的に製品化したり、蒸気機関車の完成品、カスタムキット、そしてバラキットをそれぞれ販売するなど非常に意欲的な姿勢も垣間見えます。

蒸気機関車は国内向け製品だけで20種類以上あり、国内向け蒸気機関車のパイオニアといっても差し支えない品揃えを誇っています。

こうした実験的な姿勢、創意工夫の見える点が中村精密の特徴であり、ファンからいつまでも愛される理由なのではないでしょうか。

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