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硬券はいつまで使用されていた?今も現役で使われる硬券とは

雑学・小ネタ

(更新日:2024年8月21日)

硬券はいつまで使用されていた?今も現役で使われる硬券とは

鉄道の歴史とともに歩んできた硬券は、かつては鉄道旅行に欠かせない存在でしたが、いつまでメインの切符として使用されていたのでしょうか。

この記事では、硬券が使用されていた時期や背景、そして現在でも現役で使用されている硬券について詳しくご紹介します。

いつまでも鉄道ファンやコレクターから愛され続けている硬券がどのように鉄道を支えてきたのかを探りましょう。

硬券とは

硬券とは

硬券(こうけん)は、日付や乗車駅、降車駅などの情報が活版印字された、厚さ0.7mm程度のボール紙で作られた切符です。日本では、1872年9月12日に新橋から横浜間の鉄道が開通した際、開業記念式典入場券が日本初の硬券として使用されました。

当時、日本は鉄道技術の最先端であったイギリスから鉄道システムの導入や技術支援を受けていました。その際、硬券の用紙や印刷技術、印刷機械もイギリスから伝わったとされています。

硬券の役割

現代では、専用の機械で降車駅を選び、情報が印字された切符を使用しますが、当時はそのような技術は当然ありません。ですので、発駅と着駅が印刷された硬券を予め用意しなければなりませんでした。特に、乗降者数が多い都心部の駅では、多くの種類の硬券が必要でした。

一方、需要が少ない駅では、いくつかの着駅名を印字し、駅の直下部を切り取ることで対応していました。これらは「準常備乗車券」と呼ばれました。また、発着駅が硬券に記載されておらず、駅員が手書きで記載する「補充型乗車券」も多く使われていました。

硬券の種類

硬券は、券の縦横寸法の違いによりA型からD型までの4種類に分けられます。

A型:1872年~

A型券は日本で初めて使用され、その寸法は縦30mm×横57.5mmです。イギリスで使用されていたサイズがそのまま日本に伝わり、主に入場券、乗車券、急行券、特急券、グリーン券などに使われました。

B型券:1928年~

B型券は、物資不足の時代背景からA型券よりも縦が5mm短い、縦25mm×横57.5mmのサイズになりました。主に入場券や乗車券、乗車標に使用され、用紙節約のために考案されたサイズです。A型券以降の常備入場券として使用されていました。

C型券:1907年~

C型券のサイズは縦60mm×横57.5mmで、A型券の2枚分の大きさです。連続乗車券や振替乗車券、記念券として使われましたが、A型やB型券と比較すると大きいため物資の節約の観点から生産が縮小されていった歴史があります。

D型券:1964年~

D型券のサイズは縦30mm×横88mmで、横が長いのが特徴です。特急券や急行券、寝台券、往復乗車券、記念乗車券など、情報量が多い切符に使われました。しかし、日常的に使用される券ではなかったため、生産量はA型やB型券よりは多くありませんでした。

これらの硬券は、戦争による物資不足や材料の合理化、利用客の多さなどの背景に応じて、最適なものへと変遷していきました。それぞれの時代において、硬券は鉄道利用者の利便性と管理のために重要な役割を果たしていたのです。

硬券はいつまでメインの切符として使用されていた?

硬券は、明治5年に新橋〜横浜間で鉄道が開通した際に導入され、昭和後期まで広く使用されていました。

しかし、昭和50年代に「印刷発行機」が日本各地の主要駅で導入されるようになると、硬券は次第に主流ではなくなる存在に。

この「印刷発行機」は、乗車駅や降車駅などの情報を入力することで、目的地に応じた切符をその場で発行できる機能を持ちます。これにより、従来の硬券に比べて効率的かつ迅速な運賃収集が可能となり、硬券の需要は減少しました。

さらに、国鉄や私鉄の沿線が拡大する中で、小さな駅や地方のローカル線にもPOS端末を搭載した自動発券機が導入され、硬券の利用はさらに減少傾向へ。

こうして、硬券はいつまでも主流の切符としてあり続けることなく次第に姿を消し、現在では一部の記念切符やイベントでのみ見かけることができるようになりました。

硬券はどの地域でいつまで使用された?

硬券はどの地域でいつまで使用された?

硬券は、明治時代から昭和後期まで日本全国で広く使用されていました。さらに、戦前には日本が植民地として統治していた地域(樺太、満州など)でも、鉄道開通に伴い硬券が導入されました。

しかし、自動券売機や発券端末の普及により、硬券の使用は次第に減少。JR各社では、最終的に北海道旅客鉄道(JR北海道)を最後に、2019年4月に硬券の製造と定期販売も終了しています。

このように、硬券は長い間日本の鉄道切符として親しまれてきましたが、技術の進化とともにその役割を終えました。

今も現役で使用されている硬券

2019年4月を境に製造や販売が終了した硬券ですが、現在でも、青森県の津軽鉄道や長崎県の島原鉄道、静岡県の岳南電車など一部の私鉄で使用されています。

これらの硬券は地域ごとに独特のデザインを持ち、そのオリジナルなデザインに心惹かれるコレクターが多いと言われています。特に、複製防止のための地紋は鉄道会社ごとに異なり、そのデザインやカラーバリエーションから当時の鉄道会社の歴史や背景を読み取ることができます。

これらの硬券は、単なる乗車券としての役割を超え、歴史的な価値を持つコレクターズアイテムとしても注目されています。よって、現在でも使用されている硬券は将来的に価値が高くなる可能性があるとも言われています。

買取できる硬券の中で古いものはいつまで使われたもの?

買取市場における硬券の価値を決定するポイントとして、「地域」「路線」「年代」というキーワードがあげられます。

まず「地域」についてです。特定の地域で発行された硬券は、その地域の鉄道史や文化を反映しており、コレクターにとって魅力的なアイテムです。特に、過疎地やローカル線で発行された硬券は、発行枚数が少なく希少性が高いため、高価買取の対象となることが多い傾向にあります。

また、「路線」でも、特定の路線で使用されていた硬券は、高価買取のポイントとなります。例えば、廃線となった路線や歴史的に重要な路線の硬券は、その価値が高く評価されます。

そして「年代」に着目すると、明治・大正時代(1860年代〜1920年代)に使用されていた硬券は、現存しているだけでプレミアが付くことが多いです。また、戦前に使用されていた硬券も高価買取の対象となる傾向があります。

なお、海外では、駅を「站」と記した硬券があり、これも貴重なコレクターズアイテムとして人気です。発行枚数が少なく、現存するものが少ないため、非常にレアなものとされています。

出張買取は「鉄道本舗」にお任せください!

今回は硬券の歴史や種類、いつまで使われていたかなどについて解説し、買取の際のポイントをお伝えしました。

硬券は地紋やスタンプ、活版印刷、独特の厚紙の風合いなど当時の鉄道ロマンを感じるものが多く、コレクターの中でも人気が高い切符です。みなさまの鉄道コレクションの中に硬券があった場合は、まずは弊社鉄道本舗にご相談ください。きっとご満足いく内容でお見積もりさせていただきます。

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