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軟券とは?硬券や半硬券との違いから現在の市場価値まで

雑学・小ネタ

(更新日:2024年9月3日)

軟券とは?硬券や半硬券との違いから現在の市場価値まで

「軟券」と呼ばれる薄い紙で作られた切符は、硬券や半硬券とは異なる独自の特徴を持っています。しかし、その違いや軟券が生まれた背景、そして現代の市場価値についてはあまり知られていません。

そこでこの記事では、軟券とは何かや、硬券と半硬券との違いとは何かについてわかりやすく解説します。また、コレクターの間で高い価値を持つ軟券の魅力や、現在の買取市場における軟券の位置づけについてもご紹介します。

軟券とは

軟券とは

軟券とは、主に薄い紙で作られた切符を指します。0.7mm程度の厚紙で作られる「硬券」に対し、比較的薄い紙で作られているため、「軟券」と呼ばれるようになりました。

昔ながらの軟券の大きな特徴は、紙製で裏面が白い点です。また、軟券は比較的大きめのものが多く、切符に書き込める情報量が豊富です。さらに、硬券に比べて印刷コストが低いため、幅広く使用されてきました。

現代では、自動券売機やみどりの窓口で発行される薄い切符が一般的ですが、これらには自動改札機で読み取るための磁気情報が印刷されており、厳密には軟券とは異なります。

特にJRの自動改札がある駅では軟券を使用する乗客向けに「裏が白色の切符」と案内しているように、軟券は今でも一部で使用されています。

軟券が主流となった背景

次に、軟券が主流となった背景についてご説明します。

軟券は昭和初期頃から使用され始めたと言われています。特に戦時中には、物資不足により硬券に使用される厚紙の調達が困難になったため、比較的少ない資源で製造できる薄い紙を用いた軟券が採用されるようになりました。これが軟券の普及を後押しした一因とされています。

現在でも、常備券(あらかじめ工場などで印刷された乗車券や特急券)や補充券の形で軟券を見ることができます。しかし、一般的な使用は限られており、特に廃線となった路線の軟券は非常に希少価値が高いとされています。

軟券と硬券の違い

軟券と硬券の違い

次に、軟券と硬券の違いについて解説します。

紙の厚み

硬券は、日付や乗車駅、降車駅などの必要な情報が活版印字された厚手の切符で、0.7mm程度の厚紙(ボール紙)で作られています。これに対して、軟券は約0.075mm(75μ)のロール紙感熱紙に情報が印刷されており、両者の紙の厚みには大きな違いがあります。

硬券はしっかりとした存在感がある切符です。一方、軟券は薄く柔らかい手触りで、より軽やかな印象を持たせる切符となっています。

歴史・使用時期

鉄道切符の歴史は、1837年にイギリスのニューカッスル&カーライル鉄道でトーマス・エドモンソンが発明した「エドモンソン型切符」がすべての原型とされています。

日本においては、1872年9月12日に新橋〜横浜間の鉄道が開通した際、開業記念式典入場券が日本初の切符として発行されました。当時、日本はイギリスから鉄道技術やノウハウを輸入し、硬券もこのタイミングで導入されたと言われています。

その後、鉄道利用者の増加や硬券の製造コストを考慮し、薄いロール紙をセットして印字するタイプの自動券売機が普及。これにより硬券の使用は徐々に減少し、軟券へのシフトが進みました。

軟券の使用は自動券売機の登場とほぼ同時期に始まったと言われています。日本初の券売機は1926年(大正15年)に東京駅と上野駅に設置されたドイツ製のコインバー式入場券売機で、この時期から軟券が広く利用されるようになりました。

軟券と硬券の違い

では次に、軟券と半硬券の違いについてご説明します。

紙の厚み

半硬券は、硬券の厚みのおよそ半分程度の厚紙で作られた切符です。硬券が約0.7mmの厚さであるのに対し、半硬券は0.35mm程度です。手に持つとややしっとりしていて、薄めのボール紙のような印象を与えます。

軟券と比較すると、半硬券の方がしっかりしており、硬券ほどではないものの、厚紙特有の重厚感があります。

歴史・使用時期

半硬券は、主に地方の私鉄で使用されていました。発行枚数が少ない券に対して、高コストの硬券を使用するのは無駄が多いため、特定の期間や条件に限って発行される券や、特定の用途に使われる限定的な券など、需要が限られているものに半硬券は用いられました。

半硬券は回数券のように連綴形式で印刷され、発券するときに駅職員が1枚ずつ破って渡していたと言われています。そのため、紙の周りにはギザギザの切断線が特徴として見られます。

また、半硬券は硬券よりも薄いですが、活版印刷をした際に凹凸ができるため、軟券と比べて切符としての意匠性が高い点が特徴です。

軟券の現在の状況と買取市場での価値

最後に、軟券の現在の流通状況と買取市場での価値について解説します。

軟券は、硬券に比べて流通量が少ないと言われています。また、紙が薄いため、当時の状態のまま良好に保存されているものは少なく、形や印字がはっきりと残っている軟券は市場で高い価値がつけられます。

特に、廃線となった路線の軟券は希少価値が高くなっており、特定の地方や年代によって価値が変動します。中でも、車内補充券(駅で常備されていない乗車券類)は特に希少とされ、市場でも高額で取引されることが多いです。

価値が高い具体例としては、JRの「青春18きっぷ」の「赤券」、または補充券の中でも片道乗車券、出札補充券、料金専用補充券、回数券、記念乗車券などがあげられ、今後もこれらの切符の価値はさらに上がることが予想されます。

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今回は軟券の特徴とともに、硬券、半硬券との違いを解説いたしました。

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