2023.12.06
(更新日:2023年11月17日)
Nゲージは色や形などの車両のデザインが非常にリアルに再現された鉄道模型ですが、縮尺(スケール)はどのように作られているのでしょうか。
今回は、日本の在来線や新幹線の規格(レール幅や車体寸法や大きさなど)とともに、Nゲージの縮尺について解説します。
目次
Nゲージとは、鉄道模型のレール間隔が9mmかつ車両縮尺が1/150〜1/160の模型の総称で、日本で最も普及している鉄道模型規格です。
Nゲージの頭文字の「N」は、9mmのレール幅の「Nine」の頭文字が由来であり、全ての線路幅は9mmで統一されています。
車両本体は、実物の約1/150〜1/160の縮尺でつくられています。
具体的な数値で説明すると、JRでは、在来線の1車両の長さは20m、新幹線は25mであるため、その1/150~1/160をそれぞれ算出すると、
在来線=20000mm/150~160=125mm~133.33mm
新幹線=25000mm/150=156.25mm~166.66mm
という縮尺になり、手のひらサイズに納まる小さな模型になるのです。
参考として、欧米で主流であるHOゲージと呼ばれる鉄道模型の車両は約1/80の縮尺です。ヨーロッパやアメリカの標準軌幹線は、通勤車・長距離旅客列車ともに25~26.5m程度であるため、
25000mm~26000mm/80=312.5mm~325mm
となり、手のひらサイズに納まる日本の鉄道模型と比べて比較的大きなサイズ感となります。
昔は、HOゲージの方がNゲージよりスケールが大きいためディティールも精緻でしたが、今日ではNゲージの開発技術力も大幅に向上したため、両者比較し難い意匠となっています。
しかし、Nゲージの方がスケールが小さいため、どうしてもHOゲージと比べて機械部分や台車部分で簡略化しなければつくることができない箇所も存在します。
また、Zゲージと呼ばれる一番小さいスケールの鉄道模型も手のひらサイズに納まるものとして人気があります。車両の縮尺は1/220、軌間は6.5mmであり、Nゲージと比較しても非常にコンパクトな鉄道模型です。
前記したNゲージやHOゲージと同じレールで走行して遊ぶことはできませんが、車両デザインの再現性は高く、トランクレイアウト(トランクの中でもジオラマをつくって遊ぶことができる大きさという意味)も楽しめます。
では、日本の鉄道車両のスケールはどのようなものなのでしょうか?もう少し具体的な寸法を追っていきながら確認してみましょう。
日本の標準的な鉄道のレール幅は、1067mmであり、欧米のレール幅の1435mmと比較すると狭いため「狭軌」と呼ばれています。
このレール幅は、JRの在来線や東京メトロ(銀座線、丸ノ内線以外)、首都圏私鉄(東武・西武・小田急・東急など)や関西私鉄(南海・近鉄)、名鉄などで使用されています。
Nゲージのレール幅は9mmであり、実際の在来線の標準的なレール幅は1067mmであることから、レールの縮尺は9/1067≒1/118.55となります。車両縮尺は、1/150~1/160のため、Nゲージではレールと車両のスケールが異なることになります。
一方、新幹線のレール幅は1435mm(標準軌)であるため、レールの縮尺は9/1435≒1/160となり、車両スケールと合った規格と言えます。
Nゲージの縮尺に関する注意点は大きく2つあります。
1つ目は、縮尺が同じでも異なるメーカーではレールを繋げられないという点です。
日本ではさまざまなメーカーが鉄道模型やレールを販売していますが、基本的には同じメーカーの同じレールを使用することになります。レールの縮尺が同じであったとしても、各メーカーのレールはジョイナーと呼ばれる接続機構が独自であるため、他メーカーのレールをつなぐことができません。
また、ユニジョイナーと呼ばれる特殊形状のフレキシブルジョイントを繋げても、レール間に隙間ができてしまうためおすすめできません。
そのため、どのメーカーのレールにするか一番最初に決める必要があります。
2つ目は、鉄道模型のNゲージにおいては、在来線も新幹線も同じレール幅(9mm)で走行できるという点です。
実際は、軌間が異なるため在来線と新幹線の線路は異なりますが、Nゲージの世界では同じであるため、同一レールを走行させることになります。
そのため、自身で作成したジオラマで在来線と新幹線を同時に走らせる場合は、在来線とレールの縮尺は異なりますが、新幹線とレールの縮尺は合っているため、1/150スケールの人を置いたとき、在来線の車両が大きく見えてしまいます。
写真などを撮影する場合は、在来線と新幹線と人が同時に映るアングルは、違和感(スケールアウト)が生じるため避けることをおすすめします。
Nゲージの線路や車両だけではなく、道床やトンネル、山、川、建物、樹木、電柱などのストラクチャーの大きさやリアルさにも注目してみましょう。
既製品は色が既に塗られており、線路とストラクチャーを組み合わせることですぐにオリジナルのジオラマを制作することができます。
そのため、初めてNゲージに取り組む場合は、ジオラマセットを購入する方がより早く車両の走行を楽しむことができます。
Nゲージの取り扱いに慣れてきたら、フレキシブルレールでオリジナルなジオラマを作ることで、自身の好きな車両で思いのままに走行させることができます。しかし、自身でジオラマをつくる場合は、縮尺に気を付けることがポイントです。
車両がリアルであるため、線路に近い建築物や樹木などのスケールがあまりにも異なりすぎると違和感が生じてしまいます。日本の多くのNゲージのメーカーでも1/150のストラクチャーは販売されているので、Nゲージにあわせて適切な縮尺でできた大きさのストラクチャーを選ぶようにしましょう。
今回は、Nゲージの縮尺についてお伝えしました。
車両本体の縮尺が1/150という小さなスケールで、非常に細かいディティールまで再現できていることから多くのファンから人気があるNゲージ。
今日では、はやぶさやドクターイエローなどの新しいデザインの新幹線やローカルの在来線なども人気があり、Nゲージの人気が高まっています。
ぜひ、さまざまな車両でNゲージの世界観をお楽しみください。
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