2020.04.08
(更新日:2024年1月29日)
鉄道本舗では、鉄道のサボ(行先板)・サボ受けなどを買取しております。
買取をご希望のお客様は、お気軽にお問い合わせ下さい。
今回はもう少し踏み込んだ、サボ・サボ受けの買取りについての解説をさせて頂きます。
サボとは、列車の行先や愛称、用途などが表示された板のことです。
サボと言ったり行先板と言ったりしますが、列車の行先を伝える板をサボ・行先板と言います。
素材は、ホーロー製やプラスチック製、古くは木製のモノなどがあり、蒐集を楽しませてくれるアイテムです。
≫買取価格:25,000円 サボ・行先板ほかコロタンなど鉄道本の出張買取り
≫買取価格:68,000円 大阪にて出張買取りの大型銘板・サボ
≫買取価格:10,000円 都電サボ・池袋駅・春日町・本郷・御徒町
そもそもサボとは何か?略式名称なのか?
知っているようで、知らないサボの正式名称をお伝えします。
鉄道サボとは行先表のことを示しており、行先や愛称などの表示の為に使用されます。
【サイドボード】
列車の側面に表示がされていたことから。
【サインボード】
行先や愛称名が書いてあることから。
【サービスボード】
案内が書いてあることから。
と言う説があります。
どの説が正しいのか、正式名称に関する正解はありませんが、意図が伝われば問題無しだと思われます。
また広い意味で、前頭板や種別板、号車板もサボに含まれます。
日本の鉄道の歴史は、1872年(明治5年)10月14日に、新橋〜横浜間で鉄道運行が開始されたことから始まります。
サボ(行先板)がいつ頃から掲出されていたのか、実は記録が残っておらず詳細は不明です。
ですが、明治時代の東京馬車鉄道の資料行先板が掲出されていることから、鉄道開通の数年後には行先板を掲出するようになっていたのではないかと考えられます。
運行直後の資料からは、サボらしきモノは見当たりません。運行当初は始発駅と終着駅の往復であった為、サボは特に必要無かったのかもしれません。
鉄道サボの中でも高額な買取りになりやすいものとして、1945年前後の旧型客車に掲出されていた楷書体の彫り文字サボがあります。
筆文字で彫られており、素材自体にも重厚な厚みがあります。廃線になった路線のものの場合などは、ウン十万の買取り価値がつく事もあり、大変貴重なサボになっています。
サボの素材も買取りで重要なポイントとなります。
素材には、ホーロー製やプラスチック製、木製やアルミ製など色々な種類があります。
【ホーローサボ】
【プラスチックサボ】
【木製サボ】
【アルミサボ】
運用当時、サボの紛失により、急遽代用品として使われたモノがアルミ板だと聞いております。
実装されていたサボでも、元を辿ると代用品であったりするなど、サボの世界はとても面白く、奥が深いように感じます。
鉄道で使用される文字は、国鉄時代に『鉄道掲示基準規程』というルールに則っていました。
ただ、今回は細かなルールではなく、文字の種類についてお伝えさせて頂きます。
楷書体
ゴシック体
丸ゴシック体
フォント一つで雰囲気がガラッと変わりますね。
行先板の形状や様式は全国で統一されていますが、漢字やローマ字の微妙なフォントの違い、吊り下げ部の構造は、地域によって特徴が出ています。
これは、行先板の発注が各地方の鉄道管理局単位であったため、その地方の事情を反映した特徴だと言われています。なので、東北地方と関西地方ではローマ字の大きさや、吊り下げ部の加工方法が違うということなどもあるのです。
買取り視点で考えると、珍しい(世の中に出回っている数が少ない)フォントも、価値が高くなるポイントの一つです。
また、サボの年代を探る為の特徴をお伝えします。
【明治:1868年~1912年】
【大正:1912年~1926年】
【昭和:1926年~1989年】
仮名遣いや、右書き左書き、文字のフォントなどによって、つくられた年代が見えてきます。
サボの形同様に掲出の仕方も3種類あります。
掲出方法をご紹介します。
【吊り下げ型サボ】
サボと言えばこの形を思い浮かべるかたも多いのではないでしょうか?旧型客車に掲出される為の形で、この形のサボは万単位の価値が付きやすい人気のサボの形状です。
【差し込み型サボ】
現在でも使用されている形のサボです。横にスライドして交換をするので、そこの部分などの傷みが多いモノがあります。
【落とし込み型サボ】
今までのサボに比べると1/3程の大きさのサボです。
この形のサボも旧型客車時代から使われているモノもあり行先や愛称によっては数万の買取価値がつくサボも存在します。
【中折れ式行先板】
私鉄などでよく使われる中折れ式行先板です。
一枚で何通りかの行先を表示する事が可能で、折り返し駅などにおいて使用頻度の高かったサボになります。
ただ、何通りの行先が一枚になっているのでかなりの重量があります。
【市電・系統版】
行先板に似たところでは市電の系統板があります。
こちらは系統表示でもありますが、広告塔としての機能もあり鉄道事業者の貴重な収入源の一つでもありました。
以上、5種類のサボの形をご紹介いたしました。
続いては文字の表示方法について解説を致します。
サボに文字が書いてあるのですが、実はよく見るとサボ自体に掘り込みがあったりと深い世界が待っています。
基本的に行先などで価値が決まりますが、堀文字の方が歴史が古く高い買取り価値に繋がる傾向を感じています。
【文字が彫り込まれたサボ】
会津若松行(郡山回り)のサボです。
年代で言えば1945年前後あたりでしょうか?それより古いサボになると文字が右読みになるので戦前までは行かないにしろ歴史のあるサボです。
書体で使われる感じも『会津』では無く『會津』と言うところが買取の価値を上げるポイントです。
再三ですが、世の中に出回る数が少ないほど買取価値が上がります。
【浮文字のサボ】
赤ペンキ(特急)で書かれたつばめのサボです。
【ペンキ修正サボ】
ペンキ塗装サボは元々の行先を塗りなおしによって書き換えたモノです。
元々の行先の方が珍しい場合など、持ち主の方がペンキを剥がして復元したりするサボです。
サボにも堀文字や浮き文字などいろいろな表示の仕方があり、年代や鉄道会社によってサボの作り方が異なっています。
現在でも地方私鉄などでは、現役でサボが使われていたり、イベント列車などでサボの掲出が行われているので、まだまだサボの活躍を現役で見る事ができます。
【JR九州:ゆふいんの森・キハ71】
盗難防止ようにネジ固定がされていますね。
【いさりび鉄道・キハ40】
北海道の第三セクターの私鉄です。
奥に見えるキハ40もサボが使われておりますね。北海道はサボの使用率が高いです。
【名鉄6000系・蒲郡線】
名鉄6000系は前頭板を入れる受けがあり、そちらに広告のような形でサボが入っております。
季節ごとやイベントごとに変わるサボにより表情が変わるところがポイントです。
続いてはサボを入れる為のサボ受けについて解説をさせていただきます。
実はサボ受けもサボに負けず劣らず人気があるのです。
その理由は鉄道車両カラーに塗装がされているからですね。
サボによって大きさや形状、配色が変わり。お持ちのサボを入れて楽しむ事ができます。
サボ受けの価値を決めるにあたり、サボ受け装着されていた車両と言うのが価値を決める大切な要素になります。
その要素の一つとしてサボ受けの色がとても重要です。
落とし込み型サボ受けがスカーレットの赤色の場合は名鉄車両のサボ受けだったり。
茶色の差し込み型サボ受けは旧型客車だったりと。装着されていた車両によってサボ受けの価値が変わります。
【名鉄スカーレット色サボ受け】
各配色を見て装着されていた系式を考える事が楽しみの一つでもあります。
【色々な配色のサボ受け】
表面
裏面(思い切り剥がした跡があります。)
カラーや配色を見て装着されていた車両を予測して楽しむのも良いですね。
鉄道図鑑と睨めっこしながら、この車両についていたのでは!?と推理するのも楽しみの一つです。
【差し込み型サボ受け】
【落とし込み型サボ受け】
落とし込みサボ受けに入っていたサボは下記のような汚れが付着します。
鉄道会社が記念品として原寸大のレプリカを公式サイトで販売をしているケースがあります。
今回はどこで公式レプリカサボが購入できるのかをお伝えいたします。
鉄道部品が生み出される源泉となるJR各社の鉄道部品販売サイトをまとめました。
レプリカサボやレプリカヘッドマークなども販売も行っていたりと見ごたえがあります。
鉄道グッズや名産品がメインとなっているサイトもありますが、中古部品販売をおこなう会社もありますので、お時間のある際に見てまわるのも楽しいかと思います。
こちらのJR北海道北の特急便キヨスクでは、定期的に鉄道部品の販売も行っているのでJR北海道の車両が好きな方は要チェックなサイトです。
ただ、販売開始直後から目玉商品は売り切れとなるので覚悟して購入に臨んで下さい。
他にもJR北海道のレプリカグッズも充実してるので、こちらも注目です。
こちらはJR東日本が運営する鉄道グッズ販売ショップです。
鉄道グッズはもちろん、レプリカヘッドマークなども販売している販売サイトです。
こちらはJR東海が運営する鉄道グッズの販売サイトです。
700系新幹線の部品を抽選で販売していたりと、かなり珍しい部品を世に出してもらっています。こちらの抽選もかなり倍率が高いと思いますが、気になる商品があれば挑戦してみるのも良いでしょう。
こちらはJR西日本の鉄道グッズ販売サイトです。
鉄道グッズ販売がメインですが、よくよく見るとレプリカヘッドマークなども販売しており、定期的に見回ると面白い鉄道グッズが出ているかもです。
JR四国の鉄道グッズサイトはあまり鉄道に力を入れていないようで、食品関係が充実していました。
今後に期待ですね。
JR九州の部品販売サイトはこちら。
キハ66・67のサン板などかなりマニアックな部品が販売してありました。
また、こんな企画も発見!
博多駅の駅長さんと副駅長さんがオークショニアを務めるそうで、2021年9月15日現在では締め切りがされてしまったそうですが、コロナ禍にあってもオンラインでイベントを企画して頂ける姿勢が素晴らしいですね。
今回はJRを特集しましたが、私鉄でも部品販売をおこなっている会社もあるので、また改めて販売サイトをまとめて行きたいと思います。
販売情報は鉄道会社の公式サイトやSNSを確認する事で手に入れられるチャンスが増えます。
鉄道本舗では鉄道会社の公式サイトで購入されたレプリカサボの買取もおこなっております。
最後にレプリカのサボと本物のサボの見分け方をお伝えいたします。
ただ、このサボの真贋を語る上で難しいのは盗難にあった本物のサボの代わりに偽物が堂々と実装されていたケースもあったり、本物として制作されましたが、サンプルとして実装されなかったケースや、偽物が実際の車両に実装されて運用をされていたケースもあるので、何をもってレプリカと本物か判断する事が難しい場合もあるとしてお読み下さい。
鉄道会社から販売されるレプリカのサボについては、公式販売なので偽物では無いと位置付けております。
ただ、中にはレプリカ品をわざと傷めつけて本物っぽく加工される方もいらっしゃるのでレプリカと本物を見分けるには本物のみが付く傷みや汚れを研究する必要があります。
本物のサボの場合、汚れのつき方や傷みが生じる部分に特徴が生まれます。
差し込み型や落とし込み型のサボ受けを使用し運用されていたサボは、サボ受けの形状で汚れや傷みが付きます。
また、吊り下げ式のサボの場合は吊り下げ部分の傷みが強く、吊り下げ部の錆びなどが浮き上がって来ます。
例えば偽物のサボもこの様な形状の傷みを故意につけたとしても、どこか故意につけた雰囲気が出てきます。
雨の日や風の強い日など自然の厳しさの中で揉まれてきたサボの傷みとは異なる汚れや傷みがついているサボは怪しいと捉えた方が良いでしょう。
なので、偽物のサボの見分け方として【傷みのつき方】と【汚れのつき方】の着き方を凝視する事で偽物か本物か判断をする様にしています。
また、本物を見て知識をつけたいと言う場合は鉄道博物館などへ行って本物のサボを見て、どんな傷み方をするのか。どこが汚れて来るのかを研究する事である程度偽物と本物の区別がつく様になります。